アディダスは中国人の心をつかんだ

北京五輪の開幕まで19日となった20日、中国・北京は非常事態を宣言した。自動車の単2ナンバー制限、時差通勤や汚染企業の操業停止など、オリンピックのために制定された制度は同日から全面的にスタートした。同時に、中国人の愛国心を目指すグローバル企業のマーケティング合戦も激しくなっている。各企業は今回のオリンピックを中国市場を先取りするビジネスチャンスと見なし、中国のナショナリズムを刺激する広告を次々と出している。企業が競って「中国人の心をつかむ」と宣言したのは、スポーツ用品会社アディダスが打ち出したテレビCMで、中国人が力を合わせて中国選手の勝利を助けるという内容だった。中国国家女子バスケットボールチームの選手と男子サッカーチームの選手はそれぞれ中国人が持ち上げた手のひらの上でボールを持って走ってゴールを決め、女子バレーボールチームの選手たちは数百人の中国人と一緒にジャンプし、相手の攻撃を止めることに成功した。西側企業に対抗する中国本土企業の挑戦も侮れない。スポーツ用品会社のアンタンが出した広告には、赤い旗を振って中国の勝利を熱烈に祝う若者が登場し、「中国を愛している」という歌を繰り返し歌っている。ニューヨーク・タイムズ紙によると、北京五輪の公式スポンサー63社が今回の五輪に向けて費やした広告費は最大60億ドルに達した。彼らは今回のオリンピックを中国内陸部の中小都市で自社製品を宣伝する機会と見なし、マーケティング戦略を全面的に推進し始めた。北京で自動車単2号の制限措置が開始中国政府は7月20日から9月20日までの2カ月間、「自動車単2号の制限措置」を実施し、北京市内の330万台のうち1日150万台（公共交通機関を除く）が停止する。「大気汚染削減」対策として、北京市内の建築工事はすべて禁止され、北京や近隣の河北省などの汚染物質排出工場も稼働を停止している。中国当局はこの動きを通じて「汚染物質を70%削減する」と期待している。また、一般車両の五輪競技場周辺への接近を全面禁止し、空港の高速道路や市内の主要幹線道路に設置された「五輪専用レーン制」が20日から開始された。